きむきむのゆるふわ機械系日記

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メカメカ四足歩行ロボ開発プロジェクト進捗報告!②

本日2回目の更新です。大変長らくお待たせしました!例の四足歩行ロボットの進捗報告です。

前回紹介した四足歩行ロボットの試作品が出来上がりました。↓のような感じです。

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┌[┌ ^o^]┐ロボォ・・・

 

前回の設計と違うじゃん!と思う人もいるはず。実は前回上げた画像では細い脚だったのですが、今回は脚を太くしてがっしりとした見た目になっています。ここが前回からの変更点です。「これ・・・本当に安定した歩行が出来るのか・・・?」と思い、真面目に計算して力学的な安定性を評価した結果、脚の裏がこれだけ太くないとガタガタした歩行になってしまうという結果になりました。

このロボットは旋回のモーションに移行するときに都合が良いことから、対角線上にある前足と後足を同時に、前に出すのを左右交互に繰り返すトロット歩容という歩行方法をとります。このとき、接地している足が2本だけなので、単純に考えると足裏の面積を大きくしてやらないとぐらぐらしてしまうということです。同じ歩行方法でも足裏の面積を小さくできる方法がいろいろな論文で提案されているのですが、カラクリでその動作を行うのは難しそうです。

さて、前回紹介していなかった機構について紹介しましょう。以前紹介した仕様では、

・動力源はモーター1つ

・動作は前進・後退と左右旋回

というようなことを書きましたが、モーター1つでどうやって複数の動作の切り替えを行うのかといった疑問があると思います。ロボットの動作切り替えは各脚に伝達する回転の方向を変えることによって切り替えます。そのための機構が↓の「逆転機構」です。

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動作の切り替えにはクラッチを使います。クラッチというのは摩擦の大きい板を押し付けたり離したりして、軸に動力を伝達したり切り離したりするものです。動作の切り替えには「別の動力を伝達する」「今伝達している動力を切り離す」という2つの動作が必要で、結果としてクラッチが2つ必要になるのですが、この機構ではデファレンシャルギヤ(通称デフ)を入れることでクラッチの数を減らしています。デフは例えば自動車に使われています。自動車がカーブするときに内輪と外輪の間にできる回転差を吸収してくれるのです。今回はこの回転差を吸収する性質を利用しています。クラッチで動力を伝えると、入力2から出力軸に強制的に逆向きの回転が伝達されます。もちろん入力1と逆向きの回転を加えているので入力側1と出力軸では回転差を生じますが、その回転差はすべてデフに吸収されてしまいます。結果として入力2で加えた逆向きの動力が出力軸に現れ、出力軸の回転が逆転できるのです。

ちなみに、クラッチは手動で動作させるのが面倒なので、電圧をかけると動力を伝達してくれる「電磁クラッチ」というものを用います。↓は秋葉原の某ジャンク屋で800円で売っているものです。

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ただ、電磁クラッチは動力の発生源(アクチュエータ)であるので、「動力源はモーター1個」という縛りに反している感じもします。しかし、操作性の観点からするとここは妥協するところかなと。あくまで歩行動作の動力源がモーター1個ということで。ただアクチュエータをたくさん積むのもアレなのでデフで数を減らそうと考えました。

 この機構は外部から別の負荷を強制的に回転させることで故意にデフを回転させていますが、その他の外部の負荷で不本意にデフが回ってしまうことも考えられます。というわけで、下の図のようにデフのかさ歯車に押し付ける力を生じさせて静止摩擦力を増大させられるような工夫をしています。実際はネジを軸にしてネジの締め付け具合で軸力を調整するといった感じにしています。

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さて、こんな感じで作ったロボットですが、実際に動かしてみると・・・

 

 

 

 

_人人人人人人_
> 動かない <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

 

デフでネジを調整してリミットをかけるも、一瞬だけ動いて、外部の負荷に負けてデフが回って動力が伝わらないという感じに・・・。どうやら外部の負荷の見積もりが甘かったようです。(実のところちゃんとやってない)

ただ、歩行動作を見たいので、↓のようにデフにティッシュを噛ませて強制的にロックしてみました。これならデフは回らないよね!(血の涙)

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そんな感じで動かしてみた結果が↓の動画。

 


メカメカ四足歩行ロボ(試作品) - YouTube

歩行動作は安定していていい感じですね。このノシノシ感がたまらん。

さて、じゃあどうするかという話ですが、とりあえず外部の負荷を真面目に計算してみようかと。計算の結果によって、今後の方針を考えます。(たぶんデフ使うのはやめるかなぁ・・・)

あとは、左右旋回ですね。この部分の説明はまた次回にします。その時には2号機についても話そうと思います。製作はたぶん春休み中になるかなぁという感じです。

では今回はこの辺でノシ